ターンオーバーというのは新陳代謝のことです。
表皮は一番奥の層で細胞を作り、それを徐々に上の層に押し上げながら最終的に一番上の表皮に至り、古い角質となって剥がれ落ちるサイクルを繰り返しています。
肌の表面が一定のサイクルで新しく入れ替わるのは、考えてみればとても有り難いシステムですよね。浅い傷なら消えてしまいますし、色素も残らず出て行ってくれます。
ところが、このターンオーバーは年齢や不調などによってリズムが崩れてしまうことが少なくありません。
ただし、そう簡単に整えるのは難しいことですし、シミを消すためにはターンオーバーを促進させるべきなどという声もありますが、単に早めれば良いというわけでもありません。
大切なのは年齢に応じて正常化させることで、無理に加速させていいものでもないのですね。適切なサイクルでコントロールされている肌は、キレイが持続する肌と言えます。
ターンオーバーの適正サイクル
ターンオーバーのサイクルには個人差がありますが、だいたいは年齢で決まっていて、加齢と共に徐々に遅くなって行くものです。
正確な日数を出すことは難しく、文献によっても28~56日という幅を持った数字になっています。基底層で生まれたばかりの細胞が表皮の表面まで出て来て、剥がれ落ちるまでの一生がこの日数です。
表皮の中の一番奥が基底層(きていそう)、そこで生まれた細胞が後から生まれた細胞に押し上げられるのが有棘層(ゆうきょくそう)、更に上に押し上げられて顆粒層(かりゅうそう)、最後に一番表面の角質層(かくしつそう)まで形を変えながら移動して行きます。
ターンオーバーが30日の人なら、今表面に見えているのは30日前に作られた肌細胞ということになります。
1ヶ月前、自分はどんな生活をしていたでしょう、どんなものを食べていたでしょう。もし肌の質が悪いようなら、過去の自分は今の自分に謝らなければいけないかもしれませんね。
ターンオーバーが速いのもトラブル
アトピー性皮膚炎で現れる症状の中には、早すぎるターンオーバーによるトラブルもあると言われています。
生まれたての肌細胞が、徐々に段階を踏んで自らの形を変えながら表面まで上って来るのには、それ相応の理由があるわけです。
表皮のダメージがひどく、予定よりかなり早く剥がれ落ちてしまう場合、その下にある肌細胞はまだ表面に出るには未熟過ぎる状態と言えます。
未熟な皮膚は十分な水分保持能力がないため乾燥しやすく、ささいな刺激にも弱いため過剰な敏感肌になってしまいます。
湿疹やかぶれ、痛み、痒み、赤味、皺などのトラブルが頻発し、炎症が続いて色素沈着が起こりやすくなり、かえってシミが出やすい肌になります。
こうした肌は、なんとかしてターンオーバーが遅くなるよう引き延ばす処置が必要。ターンオーバーはただ単に速ければ良いというものではないのです。
シミのある深さによって違いがある
肌細胞が正常に入れ替え出来ていれば、シミがあってもいずれ徐々に透明感のある肌に戻すことが出来るでしょう。
ただし、ターンオーバーをしているのは表皮のみですので、皮膚のもっと深い部分にある色素は表皮がターンオーバーしても消えることはありません。
皮膚は、表皮、真皮、皮下組織という3ブロックで構成されていますが、前述のようなターンオーバーを行っているのは表皮のみです。
通常、メラニンが存在するのは表皮のみですが、稀に真皮に色素が存在する場合があり、アザとして認識されます。
色素母斑などのアザは先天的なものなので、該当するようであればまずは皮膚科に行って診断してもらいましょう。
色素のある場所が深いと青く見え、浅いところにあると茶色く見えると言われています。
ターンオーバーを正常化させるには?
ターンオーバーを正常化させるにはビタミンAやビタミンBの摂取が効率の良い方法の一つ。
・ビタミンA
細胞の修復と再生に働き、皮膚の粘膜を守り、新陳代謝を促してくれます。
・ビタミンB
細胞の修復と再生に働き、皮膚の粘膜を正常に保ち、新陳代謝を促してくれます。
ビタミンAやビタミンBを意識して食品から摂取する事やビタミンドリンクなどで補うのも良いですね。またしっかりと質の良い睡眠をとる事や適度な運動を取り入れていくのも良い事です。洗顔後の保湿も重要です。